気力充実ならいざ知らず、いささか体調を崩していると、世界の争いごとにあまり介入もしたくなくなる。同じ争いごとでも美の争いなら、心も華やぐ。ミス・ワールド第58回、珍しくロシア美人の栄冠、ほっそりとして、ロシアの女性というとたいがいご貫禄のおばさんをイメエジしてしまう筆者としては、眼も覚める。
ミス・ワールドと言えばなんとなくミス・ユニバースの後塵を拝するように思うけれども、その前身であるビキニ・コンテストはミス・ユニバースの初回前年に開かれ、以後毎年開かれているから、さらに後発のミス・インターナショナル('60)と併せて、美人コンテストの三大大会とは言えるだろう。参加熱も低いのか日本人の優勝者はまだない。
ロシアの女性がご貫禄のおばさんに象徴されるのも共産主義国のせいかも知れず、若い時はこんなスレンダーな美人もいるということも証明されてご同慶の至りではあるが、筆者にとってロシア美人の最高峰はいまだにリュドミラ・サベリーエワ、あの「ひまわり」の佳人である。そしてロシアであるだけに輸入もされていない多くの作品が在るのだが、中で観客動員が果たせず、数日でロードショーを打ち切られた「帰郷」もしっかり見ている数少ないリュドミラ・ファンとして生きているわけである。
その後のリュドミラの消息は杳として知れないがいま60代後半、もう引退はしているだろうが、日本にはたった4作品、全部を堪能しつくしているが、まるで早世の美人を思うはかなさにあこがれる気持ちも混じるのもいかんともし難い。どれもが20代、せめて30代の彼女を観たかった気がするのも、無念の島国ではある。
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